「どした? 日射病にでもなったか?」


さすがの監督も心配して駆け寄る。


「え? あー……あっ! だ、大丈夫…です…」


蒼は頭のタンコブを撫でながら下手クソな作り笑いを浮かべた。


「顔でも洗ってこい」

「は、はあ……じゃあもう…今日は先に…部活あがります」


気の抜けた蒼らしくない返事に、部員たちがざわめいた。


「ちょ、本当に大丈夫?」

キャッチャーをしていた法子が、ミットを外しながら蒼に近づいた。