彼は、猿のように真っ赤な顔を眺め、フッと笑顔を見せる。


「おまえ、俺のこと気にかけてくれとったやん。・・・十分やよ。あと、おまえとの口喧嘩楽しいし・・・元気出るし。・・・俺手汚れてんやから、自分で顔ふけよっ!」


彼はその言葉を置いて、舞の頭をコツンと軽くたたいた。

洗面所のほうへ歩いていく彼の背中を、しおらしく眺める舞。

・・・最初は最低な奴やって思ってたのに、つらいとき一緒にいてくれて今では大切な・・・友達になってる。


「腹減ったなぁ。染め終わったら、飯食いに行くかぁ!」


無邪気に笑いかけるカグから・・・舞はいつの間にか目が離せなくなっていた。