結局、何も解決しないままファミレスを後にした。
裕介と優香と別れ、ひとりで夜道を歩きながら考えていた。
写真を持っていた彼女は母親だったのか警察官だったのか……。
それとも母親でもなく警察官でもない別な人物なのか……。
美雨と彼女の関係は全くわからない。
頭の中は今にも爆発しそうなほどグチャグチャだった。
美雨を手放したくない俺と、でも探している人物がいる限り、いつかは美雨と離れることになると思っている俺。
その二つの思いが頭を交差していた。
俺って曖昧だよな……。
そんな俺に裕介も優香も「何かあったら、また相談して?」と言ってくれた。
曖昧な俺を見放さないでいてくれる裕介と優香。
いい親友を持って幸せだ。
俺は春の少し肌寒い夜風を感じながら美雨の待つアパートに急ぎ足で帰った。