教室へ戻ると既に伊織は席についていた。
そして意外なことに、伊織が足の怪我を心配してくれたのだ。
「どうかした? それ」
隣に座る私の足をチラッと見る。
確かにこれだけの絆創膏は誰でも気になるかもしれない。
でもまさか貴方のファンにやられたとはいえず、言葉を濁す。
「あ、うん。ちょっとね。転んだ」
「ふぅん」
興味なさそうな返事。
そしてまたふいっと前を向いてしまった。
あれ? 心配っていうか、ただ聞かれただけ?
なんだ、そっか。別にいいけど。
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