拷問部屋の奥にはボロボロで傷ついた桜ちゃんがいた。
この時、初めて土方さんを憎く思った。
桜ちゃんは切なそうに土方さんが消えた方を見つめていた。
「…大丈夫?」
僕は手を縛っていた縄をはずした。
「ぜんぜん大丈夫ですっ。」
桜ちゃんはそう笑いながら自由になったばかりの手で髪をとかし始めた。
僕は桜ちゃんのこの笑顔がキライだ―…。
ケータイ小説 野いちご
rain×rain【完】
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