「ちょっと、めちゃくちゃ可愛いじゃない」
優香は前屈みになって、トイレの方をチラッと見ながら小声でそう言った。
「でも、未成年にしか見えねぇな……」
裕介も前屈みになると、小声でそう言う。
その時、トイレの水が流れる音がして、裕介も優香も慌てて体を起こした。
そして美雨がトイレから出て来る。
ただ、美雨がトイレから出て来ただけなのに、俺はなぜか緊張していて……。
裕介と優香の方を見ると、2人とも俺と同じように緊張して強張った顔になっていた。
「美雨?」
トイレから出て来て、部屋に戻ろうとした美雨に声をかけた。
美雨は、その場に足を止めた。
「お腹、空いたろ?このお姉ちゃんが晩ご飯を作ってくれるから、部屋で待ってて?」
「美味しいご飯、作るからね」
俺に続けて、優香は作り笑いをして、わざとらしい明るい声でそう言った。
でも美雨は、俺達の言ったことを聞き終わると、振り向くことなく、部屋の中へ行ってしまった。