いい加減欠時がやばいから学校に来いと友人に電話で怒鳴られたのは昨日。
ヒナタは入院してるし行こうと思ったのは今日。

そして、黒の学ランの中に赤いパーカーを着込んで財布とスマホだけを持って家を出たのがついさっき。

嬉しそうに友人で幼なじみな潤(じゅん)がマンションを出たら楽しげに笑っていた。

「おはよ、悠」

『チッ、待ちとかキメェ』

「そんな事言うなよせっかく待ってたのに」
なんて苦笑いする潤を鼻で笑う。

『つか、今度は緑か』

「あ、これー?そうそう。今回は緑」
楽しげに潤は自分の髪をつまんでいる。
...見た目は王子って呼ばれるほど優男なのに、コイツの趣味が変わってるから残念王子なんて呼ばれてるのを俺は知っていた。

つか、長い間いれば嫌でも気づく。

潤の趣味は髪を染めること。
いろいろな髪を試しては自分に合う色を探しているのだという。

『でも、流石に緑はねぇーだろ』
呆れたように横目で見れば潤がだよねと困ったように笑う。