私と里乃が、落ち着いたところで、新谷さんがタクシーを拾ってくれて、ホテルへ。
タクシーの中では三人ともあんまり口をきかなかった。だって、タクシーの運ちゃんまで怪しく見えてくるんだもん。この人も、東郷の回し者じゃないかって。
ホテルに着くと、周りの気配を伺いながら、新谷さんも一緒に私たちの部屋へ。

「ふぅ…」

ドアを閉めたところで、里乃が大きく深呼吸。
私と里乃はドスンとベッドに座り、新谷さんは、置いてある椅子にゆっくり座った。