【愛しい私の殺戮人形】

煩い

【血を浴びれば浴びるほど美しく栄える】

黙れ!!

【さぁ、もっと殺しなさい】


止めてくれ!!


【私だけの殺戮人形、サクリフェル】



サクリフェル『黙れぇえ!!』


バリンッ!!

頭に響く〝神サマ〟の声に
彼は酷く悩まされていた

彼の心が乱れると同時に
自室の窓が割れる


サクリフェル『はぁ、はぁっ』

彼は頭を抱え苦しむ

【返して、返してぇ!!】

サクリフェル『やめろ、黙れっ』

〝神サマ〟ではない声
紛れもない
あの時の子供、蝶姫の声

大切な姉、夢葉が殺された少女の心は闇へと堕ちた。


サクリフェル『もう、止めてくれっ』

彼はそれに悩まされ苦しめられた。



ラファエル『サク』

部屋に入ってきた金髪の長身の男は
布団の中で震える彼をソッと抱き締める


サクリフェル『にぃ、さん??』

ラファエルに抱かれハッとしたサクリフェルは顔を上げる

ラファエル『可哀想に…』

涙に濡れた頬を優しく拭うラファエル

サクリフェルとラファエルは
本物の兄弟ではない。
ただ、サクリフェルがラファエルを兄と慕うだけ。


サクリフェル『もう、苦しいっ』

サクリフェルは泣きながらラファエルに抱き付いた


ラファエル『大丈夫、大丈夫。』

ラファエルはそう言い優しく頭を撫でた。

嫌だと言っても
彼の使命は殺すこと
それしか
彼には出来ないのだ…。