うちには約束がある

誰にもこの身も心を明け渡さない、という

あんなの彼の戯れ言だと思ってる、

それでも、うちは彼を待ち続ける

夢葉姐さんを殺されて
早6年が経とうとしている。

もう、そんなに経つんだな、と思いながら向かうのは
姐さんのお墓

命日はおろか
月命日、暇な日はいつも行くのは此処
此処がうちの大事な居場所や。


此処に来ると嫌なことも忘れられる。

せやから、此処へ通う。



今日は雨
皆に止めろと言われたけど
今日は命日
ずっと行こうと思ってたから行くことにした。

誰もいない墓地
私は姐さんの墓石の前で傘を閉じると
ゆっくりと膝をつき花を添え
姐さんの大好きなお酒を湯呑みに並々注ぐ



蝶姫『姐さん、そっちはどうなん?
そっちは誰も命狙ったりされん?
そうだったらええね』



蝶姫は手を合わせ墓石に向かってそう言う