潤平さんの話を聞いて、
頭の中が真っ白になってしまった。
私は、本当にバカだ。
凪くんのことを何も知らなすぎた。
まさかそんな
そんな...............
「凪を頼む。
4月から一緒のO高の生徒だろ。
頼む。あいつを支えてやってほしい」
潤平さんは立ち上がって、高校の方へと歩いて行ってしまった。
私は頭を抱え込んだ。
知らなかった。
全然、知らなった。
今すぐにでも凪くんに会って謝りたい。
バカな自分を、ものすごく後悔した。
頭から手を離し、ゆっくりとベンチから立ち上がると、涙がこぼれ落ちた。
涙を拭いながら歩いて土手に上がる手前で立ち止まった。
だから、
だから..........
あの時も、あの時も、
あの時も..........
今思い返すと、気づくチャンスはたくさんあった。
なんで、わからなかったんだろう。
なんで私は..........
土手に上がり、春らしくなった風景を見渡し、
川を見つめると、その水面に青空が映り込んでいて、
思わず空を見上げた。
雲一つない、真っ青な青空。
私、もう一度凪くんと会う。
会って謝りたい。
そう、決意すると、
ふんわりと温かく柔らかい風を感じて、
私はまた歩き出した。