カクテルが、俺の手元に渡る。マスターの手は、日に焼けた男らしい手をしていた。 カクテルも気にはなったが、マスターの体の運び方のほうが気になった。 明らかに、酒場にずっといたような手をしていない。 どちらかといえば、剣士の腕をしていた。 筋肉質の上椀は洗練されているのが、一目で分かる。 このくらいの年になると、年中訓練しないと筋力は持続しない。 動きはしなやかで、強いことがありありと分かった。