あの日から、1か月近く経った。


 最初の1週間は、先生が話して来たりした。

 でも、全部無視。


 すると、徐々に先生も話してこなくなった。


 安心した。

 でも、寂しくなった。


 やっぱりあたしはただの生徒なんだって。


 先生は、先生だから。


 話さないって分かったら、もう話してこない。


 前みたいに、数学で当ててこなくなったし。


 実花さんは、何回か電話してきた。


 そのたびに、誰か分からない男の人に殴られた。


 何度も、何度も。



 痛くて、痛くて。

 辛くて。



 もう、嫌だ。


 ってか、なんでこんなことになってるんだっけ……


 あっ、先生を守りたくて……

 もういいや。

 ただ、先生と喋りたいよぉ……


 ……なんて。


 ダメ、絶対。


 守らないと。

 あたしが、先生を。


「……い、……おい。」


「えっ?」


 声がして、振り向くと。