家に帰るとお母さんはパートでいなかった。
私は吹部に入る事を早く伝えたくて仕方なかった。
月曜日には入部届け出そう。
今日は金曜日で明日明後日は土日。
クラッ…
突然めまいがした。
近くにソファーがあったのでそこに座る。
しばらく横になるとめまいはおさまった。
「はぁ…はしゃぎすぎたのかな」
そう言いながら、目を閉じた。
疲れてるのかも。
少し寝よう。
その頃。
「吉田さん、電話」
商品の整理をしていると、事務所の方から呼ばれた。
軽く整え事務所の方に行った。
「総合病院の…三浦って言ってました」
三浦さん…
あ、真美の診察をして下さった先生。
慌てて電話に出る。
「お電話変わりました。吉田です」
『三浦です。すいません、携帯に連絡いれたんですが繋がらず』
「いえ、仕事中で。申し訳ありません。それで、ご用件は…」
病院の先生から連絡がくるなんて、なかなかないもので驚いていた。
『真美さんの事なんですが』
真美のこと。
ドキッとした。
検査結果が出たという連絡。
「はい、真美はどういった」
『病院の方に来たいただけますか?』
最後まで言い終えないうちに、そう切り出してくる先生に、母はまた不安になった。
「電話では、言えないという事なんですか?」
大した事無ければ、電話越しでも言えるはずだもの。
『出来ればご両親揃ってのほうがよろしいかと。それと、真美さんも』
母の中に希望はなくなっていた。
その後、明日伺う約束をし仕事に戻った。