晴れてめでたく雨花と付き合うことになった次の日。


昼休みをいつものメンツと屋上で過ごすことになった俺は、


「ほらっ」


満面のどや顔で採点済みの答案用紙を航平と汰一に差し出した。


「おぉ~憂梧の赤点以外を初めて見た」


「ホントだ。とうとうカンニングでもした?」


昼食をとろうとしていた手を止めた二人が答案用紙の束を代わる代わるに見比べながら感心したような声をあげる。

航平の嫌味っぽいカンニング疑惑さえ今の俺には褒め言葉にすら聞こえるのだ。


「ちょっと勉強したらこんなもんよ。軽い軽い」


今まで散々おバカ扱いされた汚名をこれで返上だ。