彼までの距離まで、5m……4、3、2、1……。



「あのっ!」



私の声に、彼が振り返る。


彼の冷たい目が私を捉えた。



「あのっ……付き合ってください!!」



私はそう言って頭を下げた。



「「……」」



しばらくの沈黙。


は、恥ずかしくなってきたっ……。



「あ、あの……」

「あんた、誰?」



……え?



下げていた頭を上げると、彼の不機嫌そうな顔があった。



あ……怒らせちゃった……のかな?



「わ、私、遠藤千愛実っていいます!」