もう、このまま一生会えなくなるのかな…?

あれから一週間。恭介と顔を合わさないように、また愛佳からの連絡に一切応じずに過ごしていた。

あんな無機質に感じた卒業式など、今までに体験したことはなかった。そしてその翌朝、わざと朝早い便をとった私は最低限の荷物を持ち、靴をはいていた。

家は隣なのに、こんなにもすれ違うことができるなんて…

素直になるってなんだろう?

恭介の足を傷つけてしまった私。大きな夢を失った恭介。

もっとお互いに素直になっていれば、こんなことにはなっていなかったの?

だけど、もうダメだよ。何も信じられないよ。私は夢を叶えに北海道へと旅立つんだから。私だけ夢を叶えるなんて、そんな理不尽なこと、あいつが許すわけないじゃない…!

ドアを押し開け家を出る時に私は、隣の彼の家の門扉を眺めながらそう思っていた。