歩side


「はぁ…」


「ッッだあああッッ!!
歩、なんなんだよ!溜め息ばっか!!」


「はあ…」



「なあ、仁!!
歩どうにかしろよ!
倉庫ん中が空気重い!」


「ここんとこずっとああなんだよ。アイツ…
ボーッッとしてニヤニヤしてると思ったら、溜め息ばっか。頭おかしくなったんだよ。うん…」


なんて、皐月と仁の会話なんて耳に入ってなかった。


俺はそれどころじゃねえんだよ。



あのデート以来、
凛と会っていない。
それどころか、連絡すらない。



俺、嫌われたんかな…


「だあああッッ!もうッッ!
恋って意味わかんねえ!」


「なんだよ。
歩、いきなり叫ぶなよ~」

「皐月のせいだ…」


「あ?」


「皐月が、凛に下品なこと言うから、凛に嫌われたんだよ!」


「ちょっと待て、意味わかんないから!」


「凛から連絡が来ないんだ…」


「はい、キレた~!
お前凛から連絡が来ないから溜め息ばっかなの?
おまけに俺のせいかよ!」


「皐月にはわかんねえんだよ!ばぁああか!」

「わっかんねえな!
ウジウジしてるお前の気持ちなんて!」



「おい、落ち着けよ。」


牙をむく、俺と皐月を
引き剥がす仁。


そんな仁に従う俺等…



やっぱり仁には叶わねえって思う。