「ちょっと、どういう・・・」
 
「な・・何なんだよ・・・あれ・・・・」

 あわあわと慌てふためいた様子で
 わたしたちに迫る勢いの藤井と佐々田。

 いつもよりトーンの高い声に耳を塞ぐ。

「どうしたのよ。いったい」

 言葉が文章になっていない。
 亮さんに会っちゃったかしら?

「いや、あの・・・」

 理由を聞こうとすると、緋色をちらっと見て、口ごもった。

 まあ、緋色の前じゃ、聞きにくいわよね。