約3ヶ月が経った。

そして今日は渚のギプスを取る日だった。

あの騒ぎ以来、渚は何も事件を起こすこともなく病院での生活をおくっていた。

もちろん今日だってギプスが取れてもしばらく退院はできない。

4ヶ月の間に彼女の筋肉は想像も付かない程衰えているのだ。

それでも渚は期待に胸を踊らせていた。

その日の朝起きると、やっとこのギプスとお別れと言う気持ちがわいてきて、うれしさのあまり顔がにやけてしまうのだった。  

「気持ち悪いな。何をにやついてるんだ?」

そんな声が聞こえて、隼人が病室に入ってきた。  

「先生、おはよ!にやついてるなんて言わないでくれる?今日、ギプスが外せるのがすごくうれしいの!はあ、もう早く取れないかなー」

隼人はそんな渚を見て、思わずくすっと笑ったが、しかし渚は気付かずにまた顔がゆるんでしまうのだった。  

「お前なー、一応言っておいてやるが、治ってたらギプスは外せるが、レントゲンで見て治ってなかったら延びるんだからな」

隼人は最後の診察をしながら言った。