中学の頃だった。 登下校中にわたしは必ず"カレ"に会う。 カレはわたしの姿を見ると思いきり尻尾を振ってくれた。真っ直ぐにわたしを見つめてくれて、カレに会うことが唯一の楽しみだった。 でもわたしがカレに触れることはなかった。 なぜならその歯や爪がどうしてもこわかったのだ。