◇◇◇

「和希くん、今日は私が腕によりをかけてご飯作るねっ」


「いいです。俺が作ります」


「……」


2人乗りしていた自転車が止まったから、私はぴょんと飛び降りて、頬を膨らませたままそっぽを向いた。


「……一緒に作る?」


「作る!!」


彼氏と並んでキッチンに立つなんて……ってか、彼氏なんですよね?

さっきまでの出来事が夢じゃないかと疑って、自分のほっぺたをつねる。


「痛っ」


「どうしたの?」


「なんでもないです」