正月の神社には、いつもでは考えられないくらい大勢の人が集まっていた。

安田さんの家で年を越したあと、みんなで安田さんの車に乗って神社に来た。


「人凄いねー…」

「正月ですからね、こんなもんですよ。」


あたしの隣を歩く春斗はまだ朝が早いっていうのにいつもと同じように元気。

その後ろを歩く葉太も、春斗ほどじゃないけどテンションは高かった。

もちろん、安田さんもいつもと変わらず文句も言わずにここまで連れてきてくれた。


みんないつも通り。

…彼を除いて。


「美波、お前の彼氏何とかしろよ。」

「何とかしろって言われても…」