莉都がお昼に教室に来る以外とくに目立ったこともなく、いつも通りに時が過ぎていった。


そしてやっと放課後。



「ふわぁ……眠い」



あくびが止まらない。


こりゃ家帰ったら寝るな。


さっさと帰ろうとしたらケータイに着信履歴があったのに気がついた。



「誰だろ」



あ、音兄だ。


もしかして……


一応校舎を出てから音兄に電話をかける。


数コールしたあとで音兄は出た。



『はい』


「もしもし、音兄?満月だけど」


『ふふ、タイミングいいね。今、僕もかけようと思ってた』


「それで、音兄が電話してきたってことは……」


『ご名答。今日、こっち来る?』


「行く。かな兄にも言っといて」


『了解』



それじゃ、と言って音兄は電話を切った。


はぁ…今日はゆっくりしようと思ったんだけどなぁ。


連絡がきた以上、やるしかないよね。



「よし」



とりあえず、帰って寝よう。


眠気には勝てないからね。