キョロキョロ

キョロキョロ…

「虹花?ふふっ、キョロキョロしすぎ」

「だって…色んなとこ行きたくて…」

「よそ見してたら人とぶつかるよ?」

「大じょぅ…」

どんっ

「きゃっ!!」
言ってるそばからぶつかるなんて…。
「ほらぁーっ!!もぉ…。虹花、大丈夫?」

「うん…。あの、すいません」

「こちらこそごめん。怪我してない?」

ぶつかったのは同い年の男の子だった。
……かっこいい。
ふんわりした茶髪で。空気が…なんだろ…何かに似てるんだけど…。

「あ…怪我、してない、です。」

何故かカタコトになってしまう。

「そ、良かった。じゃあ」

にこ

「あ」

「ん?虹花どうしたの?」

「わたあめだ」

彼の第一印象は"わたあめ"でした。