家を出て街をあるく


スッ―


街をあるく人は
私をすり抜けていく


「………」


もう嫌だ…


誰にも気づかれないまま

一人で居なきゃいけないの…?


ずっと一人……


「…っ」


孤独と悲しみが
一気に涙とともにあふれる


早く逝きたい


幽霊なんて
ならなくていい。


幽霊って…

やり残したことが
あるから存在するってきいた


私のやり残したことってなに?


「…もうやだ…っ」


溢れてくる涙


『はははっ超うけるー!』

『でしょ?』


スッ―


みんな笑って私を
すり抜けていく


泣いても

誰にも慰めてもらえない


早く逝きたい

それしか頭になかった


こうして
孤独と悲しみに潰されながら




10年という月日を


私は一人で過ごした。