(代々木健介)

「うおおおおおおああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」


俺は、吠えた。


使える。使えるぞ。


父に教わった代々木流空手最終奥義。


愛するひとへの想い。その強い気持ちを闘気に変え、さらにその闘気を具現化して相手にぶつける必殺技だ。


南斗さんの想いが闘気となり、その闘気がいま炎となって俺の拳を包んでいる。


俺は、構え、思いきり踏み込んだ。


折れた足で強く踏み込んだ。


ぐしゃあと骨が砕ける。リングが揺れる。しかしその激痛も、今の俺は、力に変えられる。


俺は、渾身の力をこめて叫んだ。


「はああああああああっ!!喰らえぇぇぇっ!!代々木流空手最終奥義!!超波動炎龍拳っ!!!!」


火山の噴火のような轟音と共に、俺の拳から、巨大な炎の龍が飛び出した。


その衝撃で、俺の腕の骨が砕けた。体が後ろに吹き飛んだ。


炎の龍は、凄まじい雄叫びをあげながら、田山に向かって舞い、噛みついた。








大爆発が起きた。






衝撃波で、審判がこけた。観客の数人が転がった。


田山の体が高くぶっ飛んだ。そして、天井の照明にがしゃんとぶつかると、全身黒焦げの姿でリングの上に落下した。そしてそのまま動かなくなった。










勝った。