ケータイ小説 野いちご

恋はストロングスタイル

ラウンド2(代々木健介)

(代々木健介)

翌日、俺は朝から憂鬱だった。


生まれて初めて、同世代の人間に負けた。しかも一撃でだ。


これはもう間違いなく、俺の慢心が招いた敗北だ。


虎を倒した父と、シャチを倒した母を両親に持つ俺は、子供の頃から強靭な肉体を持っていた。十六年間の人生を、空手一筋に生きてきた。


小学校の頃は、クラスの友達はみんな「ワンピース」や「ドラえもん」のマンガに夢中なのに、俺だけ梶原一騎の「空手バカ一代」を繰り返し読んでいた。


中学生の頃は、世間では「パイレーツオブカリビアン」の映画が流行っていたのに、俺はビデオで千葉真一主演の「直撃!地獄拳!」を見ていた。


それくらい、空手一筋だった。


だから、自惚れていた。全国大会に優勝したくらいで、天狗になっていた。同世代の中では、自分が最強だと思いこんでいた。とんだ勘違いだ。


世の中には、あの南斗さんのような強者が、まだいるのだ。昨日、あの飛び蹴りを喰らって、目が覚めた。


俺は、まだまだ弱い。


もっと修行しなければ。




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