「あ、シリル」


後ろには、いつもどおり目が前髪に侵食されつつあるシリルが立っていた。

てか、既に隠れてるかも。



白に近い金髪は猫っ毛で、
サラサラしている前髪からは、大きい水色の瞳が覗いている。


猫みたいな印象があって、女の子みたいな綺麗な顔をしている、れっきとした男子。


童顔でちょっと年下に見えるけど、一応私たちと同い年の140歳だ。




そんな彼は、とっても成績優秀。

でも、いっつも私より1つ下で、私を追い越そうと頑張っている。


「がんばるんだシリル!!あとちょっとだよっ!」

「うわ、上の人から言われたくないし!」


歩き出した私に向かって舌を出すと、
シリルは私の横に並んで足を進めた。