「―――起きてくださいませ、梨香お嬢様。もう朝でございますよ」
「んっ……。あと30分……」
「ダメに決まっています。起きて下さいませ」
千咲に揺すられて仕方がなく起きたあたしはすぐに服を着替えようとクローゼットを開ける、が。
「梨香お嬢様。お先にお風呂に入られては如何でしょう」
「え?なんで?」
「昨日はお入りに頂いていませんので」
千咲の言葉にあたしはハッとする。
もし、千咲が言ってくれなかったらあたしは多分、お風呂に入らずに学校に行っていた。
それだけは勘弁だ。
臭いなんてあたしには堪えられない。
「そうね。ありがとう、千咲」
「いえ。もう支度はしていますので、もうすぐにお入り頂いても構いませんよ?」
「じゃあ、すぐに入るわ」
「畏まりました」
ニコッと笑みを浮かべるとすぐに部屋から出て行った千咲。
それから数分としないうちに帰ってきた。
「お召し物でございます。ごゆっくりどうぞ」
「ありがとう」
学校の洗濯されたばかりの制服を受け取ると部屋にあるバスルームに向かった。