海から吹きつける風に押され、


雨戸がガタガタと大きな音を立てる。


その音で目を覚ますと、


時間はもう八時半をまわっていた。


騒々しい雨戸を開けると、


薄暗く、湿った九月の空が顔を出した。


ここの所、雨が長く続いていたけれど、


今日はまだ大丈夫な様だ。


だけど、帰り道で降られるかもしれないしな、


と昨日の晩に用意した荷物と一緒に、


折畳ガサをバッグの中にしまった。