土方さんと近藤さんは会津の偉い人と約束があるらしくて来なかった。
オレは原田と平助に腕をガッチリつかまれて、「島原」なる場所に踏み込んだ。
昼間でも、酔っぱらった男がたくさん道を千鳥足で歩いていた。
・・・働いてないのか・・・?
それに、この幹部の連中も、今日の仕事や巡察はいいのか?
いろいろ考えてたけど、周りの明るい雰囲気が全部吹っ飛ばしてくれた。
周りは2階立てや3階建ての鮮やかな建物でいっぱい。
目をどこに向ければいいかわからない。
オレがきょろきょろしてると、平助が話しかけてきた。

「なんだよ、仁。もしかして、島原初めてかあ?」

冗談のつもりだったのか、オレが肯定すると、周りの幹部全員ハ!?って顔しやがった。
そんなに珍しいことか・・・?