「友ちゃん、またここ間違ってるわよ」

「す、すみません」

・・・

先輩に言われ、

恐縮しながら頭を下げた。

・・・

入社して数日。

私は失敗の連続だった。

仕事なんて楽勝!なんて考えていた、

自分が情けない。

今までどんなことも、

すべて完璧にこなしてきた私にとって、

この挫折感は初めて味わったもの。

なんて、仕事って大変なんだろうと、

痛感する毎日。

・・・

「三浦さんを、そんなに苛めたら、

可哀相ですよ、青木さん」


「高橋課長!・・・

苛めなんて人聞きの悪い・・・

毎日これだけ失敗が多いと、

指導に付かされた私も大変なんですよ~?」

?!・・・

先輩の口調が、

とても穏やかになった。