秀明を拒んでる冬美を見たんだ。

・・・

秀明は、

冬美の好きなあの先輩じゃないと、

きっとわかってるはず。

それを目撃したのに、

もしかしたら、

冬美にふさわしいのは、

秀明じゃないのかと、

どこかで思う自分がいた。

・・・

冬美をこの手で幸せにしてやりたい。

亡き人のことを思い続ける彼女の、

支えになってやりたいと、

心から願った。

今もその気持ちに寸分の狂いもない。

・・・

だが、

体は、自分の意志に反し、

秀明と冬美に背を向け、

その場から立ち去る自分がいた。

・・・