「おはよー」


「宿題忘れた!誰か見せて!」


「「「却下」」」


朝の学校は、今日も色んな会話が飛び交っている。


私はカバンを両手で持ちながら、廊下を1人テトテト歩いていた。


「優しかったな、あの男の子……」


私の呟きは、周りの賑やかな声に掻き消される。


頭の中に、昨日の爽やか少年とのやり取りが蘇った。


『本当ありがとう。ケガ手当てして貰っちゃって………』


あの後私は、玄関前で男の子と数分会話。


『遅くなっちゃったけど、1人で大丈夫?送ろうか?』


頭を下げる私に、男の子は最後まで優しかった。