「…あり得ねぇ」

『何がだよ』



控えのテントに戻れば仁王立ちで待ち構える光樹に捕まった



「だから、何で敵と仲良くしてんだよ」

『いーじゃん。昨日の敵は今日の友って言うじゃん?』


何故か不機嫌な光樹を押し付けられたオレ

可哀想すぎる
助けて頂きたい



『皆は?』

「真ん前他の奴に取られねぇように見張らしてある」



ムッツリと口を紡ぐ彼に質問したらそんな返答が


今ステージでは他の先輩方が対戦中
大和先輩は観客側で見るとかで着替えて行っちゃいました

オレも次の準備のために着替えたいんだけど?



「あんなクズ、相手にすんなよな」

『クズ言うな。先輩カッコいいんだぞ』

「お前に負けたのにか?フンッ、あんなの俺より弱ぇーよ」



憎まれ口を叩きまくる光樹を放置し、オレは里江先輩に言われた次の衣装を広げて見る



青と白の布で出来た着物は誠と言う字が書かれていた


『…新撰組……』


ボソッと呟き衣装を繁々眺めずにはいられない

オレに似合うかな?