たっくん意外とかわいいとこあるやん。
嫉妬とかせんと思っとったから、嬉しいな。
「夏木先生、顔にやけてますよ。」
おっといけないいけない。
つい顔が綻んでたわ。
「彼氏のことでも考えてたんですかー?」
「ち、違いますよー!」
「そんな慌てんでもいいのに。分かり易すぎですよ。」
くそぅ。
そんな笑わんでもいいやん。
たしかに考えてましたけどー。
…よし、気分入れ替えてがんばろ。
頬を軽く叩き気合を入れる。
それからは、なんら問題なく業務をこなし、無事就業時間を終えた。
たっくんからの電話何時くらいにくるかなー。
いつもやったら22時とかやし、今日もそんくらいかな。
あー、なんか早く声聞きたいな。
なんて、まるで初めて恋を知った中学生みたいなルンルン気分。
「おつかれさん。」
そんなルンルンが一瞬で凍りついた。
目の前に現れたのは、喧嘩の原因になった聖也だ。