「マ、マイケル!
どうしたの?」

「ごめんね、こんな遅くに……」



僕はまだみんなが目を覚まさないうちに家を出て、街に戻った。
そして、正式に会社に辞めることを伝え、アパートをひきはらった。
それから、みんなにお土産をたんまり買い込み、また長い道程を運転してここに戻って来た。



「どうしたんだ?
……マイケル……!」

騒がしくしたつもりはなかったんだけど、父さん達も目を覚まして、僕のことを驚いて見ていた。



「会社を辞めて来た。
アパートも引き払った。」

「マイケル……!」

「僕、これからは一生懸命働くよ!
ライアン…畑のこと、いろいろ教えてくれよな!」

「あ、あぁ…任せてくれ!」



少し離れた部屋の奥から、光る二つの目がじっと僕のことを見ていた。



「……アレク!
帰って来たよ!
もう、僕はどこにもいかない!」



僕がそう言うと、二つの目が僕に向かって駆けて来て……
身軽な動作で、僕の胸に駆け上った。



「……アレク、これからもよろしくな。」



ごろごろと喉を鳴らすアレクを僕は抱き締め、彼の温かな体温に幸せを噛み締めた。



~fin~