ドタドタと、足音が近づいてくる。


私は朝食を机に置いてから、ため息をついてドアに目をやった。


数秒後。


楽しそうに笑いながら、マイが入ってきて言った。


「マキ姉!!どう?似合うかなぁ!?」


「似合う、似合う。早くご飯を食べなさい」


私は適当にあしらいながら、言った。


マイはなぜ、こんなにテンションが高いかと言うと、それにはわけがある。


なぜなら、今日から学校に通うために、制服とやらを着ているからだ。


どうやら、私たちが通うことになった、『星之河学園(ほしのがわがくえん)』は制服が2種類あるらしく、私とマイはは響夏の用意してくれた制服を着ている。


ちなみに、マイが着ているのは『ぶれざー』とかなんとかいうやつだ。


マイはふふふっと笑いながら言った。


「マキ姉も、すっごい似合ってるよ!!『せぇぃらぁーふぅく』だったっけ?それと『ふぁいそおっくぅす』だ!!」


いや…………。


発音が全く違うぞ、マイ……。


「んー。おしいね。『セーラー服』と『ハイソックス』だ」


ドアのところから、顔を見せたのは。


やっぱり、無表情の宙だ。


「あんただけ?響夏は?」


私は来る予感はしていたから、冷静に対応した。


「ここにいるよ~!マキー!」


宙の後ろからヒョコッとでてきたのは、響夏だった。


「マイ、マキ。バッグと靴を持ってきたよ!」


なに!?


まだ、身につけなければいけないのか!?


昨日から、制服や靴下やらと何回も何回も、着直したのに……。


まだあるって言うの!?


「えっとね。マイはこのリュックに、このオレンジのスニーカーだ。マキはこのスクールカバンに、このローファー!」


私はそれを受け取りながら、ふかいため息をついた。


はぁ……。