ケータイ小説 野いちご

学園怪談2 ~10年後の再会~

第51話~55話
第81話~85話

 第81話 『水中から出る手』 語り手 石田 徹

 長かったミステリーツアーも終わり、私たち一同はもといた教室へと戻ってきた。
「さて、もう何話かすれば0時になるね。次は誰だったかな」
 大ちゃんさんの言葉に手を挙げたのは徹さんだった。
「俺だよ。弘子ちゃんがミステリーツアーで話したから次は俺」
 ニヤニヤと笑いながら徹さんは席を立つとエアコンの電源をつけた。
「蒸し暑いだろう? 少し冷やしながら話をさせてもらうぜ」
 ここは教室の中でも数少ないエアコンが取り付けられているうちの一つだ。
「次の話の舞台はどこですか?」
 私はエアコンの風を感じながら尋ねる。
「次はね……夏と言えば水の行楽シーズン。とあるプールでの話だ」
 
 ……。
 俺の次なる転職先は夏のプールだ。
 プールの監視員。これは楽そうに見えて結構しんどいよ。俺は短期のバイトとして仕事をしただけなんだけど、常に客の行動に注意を払わなければならないし、何度注意をしても最近の子供たちは危険なことを止めないからね。
 ……実は俺のバイトした某アミューズメント施設内のプールはね、過去に水難事故で人が何人も死んでるんだ。ただ古い歴史もあるし、近くに大きなプールもないから毎年普通に営業されて人は入ってる。まあ……ニュースで何度も訃報が流れてるせいか満員にはならないけど。

< 183/ 296 >