「―――風見!風見彩葉(カザミ サイハ)起きろ!」



頭の上からはうるさい数学教師の声がする……気がする。



それと、頭バシバシ叩かれている気も……しないこともない。



「起きてますよー」



眠たい目をこすりながら顔を上げ、上を見上げる。



「そんな寝起き面で何言っとるんだ!」



「いてっ!」



バシッ!と教科書で頭を思い切り叩かれた。………地味にイタい。



「お前は毎度毎度…!」



あー、長い説教が始まるな、これは。どうせ今日のチャイム鳴るまではあたしへの説教で授業が終わる。



声デカいし、苦情来ても知らないからねー。



くわぁっと欠伸したとこでチャイムが鳴って、昼休みが始まった。