すっかり冷えた闇に支配された夜の中、雪芭は疾走している。



昼間こそ人通りはあるものの、夜はまったく人通りもなく不気味なまでの静寂が漂う。



街灯も少なく決して明るいとは言えないが、ないよりはマシだった。



静寂の中、自分の走る音だけが響く。






隠れは何かを隠している。






それは雪芭の直感だった。