ケータイ小説 野いちご

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オオカミ系幼なじみと同居中。

*第2部*
・それぞれの気持ち



「これで、濡れたとこ拭けよ」


旬にバスタオルを手渡された。


「あ……ありがとう」


あたしは雨の中、旬の手に導かれて旬の部屋にいた。


どうして、来てしまったのか自分でもわからない。
でも、あたしは旬とここにいる。



濡れた髪をほどいてタオルで水分をとる。
ワンピースが透けているのに気付き、急に自分がしている事に恥ずかしくなった。



このままここに居てはダメだ……


「あ、あの旬……あたし、帰るね?これ、ありがとう。心配かけちゃって、ごめん……!」



…………



そう言いかけた瞬間、あたしは旬の湿った腕の中にいた。


「桜井……」



少しかすれた声が耳にかかる。


あたしは抱きしめ返せず、その胸を押しやる事も出来ずにただ……旬の鼓動を聞いていた。





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