・・・

孝明が出ていって、

一人リビングでお茶してると、

・・・

インターホンが鳴った。

「は~い、どちら様?」

「谷口です」

「…どちらの谷口さん?」

「昨日診察した」

「あ・・・」

・・・

家まで押しかけてきて、

何の用かしら?

・・・

『別れるつもりはありませんか?』

その言葉を思い出した。

・・・

谷口先生に会っちゃいけない。

そんな気がした・・・

「孝明なら、今不在です。

明日には病院に行くと思うので、

帰ってもらえますか?」


・・・

何の返事も帰ってこない。

・・・

私は恐る恐る、

玄関を開けてみた。