月曜日の午後______

忙しかった午前中とは
打って変わりやっと店内に
ゆったりした時間が戻って来た。


「お疲れ様」

「お先に」


ヒマになると
パートさんを帰してあげる。

元々ヒマなカフェ、
学生のバイト1人で手が足りた。

IT会社の社長でもある
店のオーナーは赤字が続いても
趣味でこの店を続けるつもりでいた。

だが店長があたしに代わってから
今の所、赤字はでていない。

カフェは本当の処、コーヒーと
トーストだけの方がまだ儲かる。

しかし、それでは
周りにある他店に負けてしまう。

メニューを変え、常連の中では
特に口煩い農家のジイさんを
味方に付け、使う米を変えた。

料理はインスタントものをやめて、
大量に下拵えした物を用意した。

雇われ店長の中で
あたしは最年少だったが、
そのお陰か
今までより若い客層も増えた。


「ちわー。」

「いらっしゃい。煙草吸うなら
ブレザー脱いでタイは外してよ?」

「「「 OK 」」」


若いと云ってもピンキリ、
こんな高校生も入ってくるのである。

笑える事に今日のオーダーは
三人ともホットミルク。

そのクセ、
あたしに云う事はマセていた。


「これ、お姉さんのだったりして。」


・・もちろん、
あたしにお乳が出るワケがない。

農家のジイ様の処の牝牛が
出したモノである。

テーブルに三つ、大き目のマグに
入ったミルクを置いていきながら

ツイ、囁くぐらいの、
特別な甘い声で云ってやる。


「搾りたてで・・甘いわよ? フフ」


ウブ過ぎ。たったこれしきで
3人とも真っ赤になって俯いてる。

これだから面白くてやめられない。


「コラ、
いたいけな高校生を誑かすなよ。」


今そう云って笑って入って来た彼も
また若いウチのその1人。


「足立くん。いらっしゃい」

「悪い店長だな・・。」