9月1日。
始業式。

長い長い夏休みを終え、私は学校へ登校した。
蝉が鳴き、まだまだ気温は夏だ。

電車を乗り継ぎ、最寄り駅から徒歩7分で私の通っている花影(はなかげ)高校に着く。

眠い目を擦り、教室のドアを開く。
いつも通りなら、教室が騒がしいハズだ。

「……」

確かに教室は騒がしい。
しかしみんなの手には、何やら英語の問題集を持っている。

「あ、おはよー!恵美(めぐみ)ちゃん!」

友達の一人が手を振ってくる。
私は彼女に手を振り返し、彼女の席に近づいた。

「何でみんな問題集持ってるの?」

「え?恵美ちゃん知らないの?今日って、英語の赤点課題のテストの日だよ」

「……」