夜が明けて、ボクは床に座り込んだまま眠っていたみたいだ。
窓から見下ろした公園に立つ時計を見て、もう昼間になるのだと知った。

ギラギラと睨みつけてくる太陽から逃れるように部屋の奥にあるベッドに潜り込んだ。




ティーン、ティーン、

布団越しにかすかに聞こえてくる、ボールを打つ音でボクは目を覚ました。
何時の間に、眠っていたのだろう。と寝ぼけた頭で考える。
それから何かの力に導かれるように窓の鍵を開け、バルコニーに出た。



三階のここから見下ろした下には、大きな公園があって。
そこの真ん中に大きなバスケットコートがあった。
どうやら音の発信源はあそこのようだ。
三人ほどの男女が一つのボールを地面に突きながらゴールネットを揺らしていく。


太陽の下、汗を流して。


『馬鹿みたいだ。』

鼻で笑ったのは、誰のこと?


『あいつらに決まってるだろ。』
視界に嫌でも入ってくる者から目を逸らさずに言った。

本当は自分の事じゃないの?

『何で?』

外にも出られない自分を哀れむのが嫌で、外に出られるあいつ等を羨んで嫉妬しているんでしょ?

『・・・。』
何も言わない、否、言えなかった。