「ヘェー……
珍しいこともあるもんだな。」
腕を組みながら、あたしを見下ろす尚希。
「あたしが、指名したら可笑しい?」
「いや………
お前が、俺様を指名すんのは初めてだなって思ってさっ。」
尚希は、そう言ってあたしの顔を覗き込んだ。
「でっ、何で俺様を指名した?」
やっぱりね。
そう言うと思ってたよ。
だって、今まで指名して来なかった女が突然、指名されたら誰だってそう思う。
「話が、あって来たの。」
「話??」
「そう、アンタあたしからのメール見た?」
あたしは、そう言って冷えたウーロン茶を飲んだ。
「見たけど?」
「じゃあ、聞くけど……
昨日は一体何してた??」
まるで、妻が夫の浮気を探るために聞いて来るような質問をするあたし。
「何?
お前、俺様のこと気になるのか?」
ハッ?
何で、いつもそっちに行く訳?
「別に、ただ……
大事な話があるってのに連絡がなかったから、忙しかったのかなーって思って。」
平常心に振る舞っている、あたしだが本当はー………
フンッ!!
何が、俺様のこと気になるのか?
だっ……!!!!
あたしはね、話があって来たの!!