「これでいいんだよ。さあ、龍也を迎えに行こうか。」

僕の言葉にワケが分からないといった顔をしている響の腕を取ると僕は龍也と別の方向へと歩き出した。

「おい暁?そっちは反対だろう。佐々木はあっち…。」

「うん、分かってる。
でも彼の行く場所が僕には分かるんだよ。」

「はぁ?どういう…。」

「つまりさ…響は信じるかわかんないけど、僕には天使がついていて、龍也が今どこで何をしているか教えてくれるんだ。」

「…天使?そんなもんいるはずないじゃん。」

「まあ普通はそう思うよね。
言い方を変えようか。
僕のお母さんは僕を生んで死んだんだ。
そのときに天使になる道を選んで僕を護ってくれている。
そういえば分かる?」