割れたガラスが散乱し、中央には廉の後頭部に拳銃を突きつけて立っている実奈。


「ずいぶんと遅いご到着で。」


「何やってんの?」


愛梨栖はキレ気味に言った。


「サインしてくださらないので強行手段を選ばせてもらいました。ただ、ドアが開くところまでは予想してませんでしたけど。」


実奈は不敵に笑うと


「リアルな正義のヒーローごっこは楽しかったかしら?そうやって友情を確かめあいたいのなら帰ってからにしてください。」


そう言ってさらに続けた。


「もともと私が必要としていたのは桐島と有沢の繋がりのみ。ご契約後の廉さまに価値などありません。」


「はぁ?あんたここまでしといて何を。」


愛梨栖を遮ったのは美利亜だった。